「武器」化されたレアアース、日本の産業界は耐えられるか。サプライチェーンを牛耳った中国

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4月にアメリカから145%もの高関税をかけられた中国は、報復としてレアアースの輸出規制に打って出た。するとトランプ大統領の態度は一変し、関税を一気に115%引き下げた。アメリカの産業界にとって、レアアースの供給途絶は耐えられなかったのだ。

レアアース輸出規制の緩和で合意したトランプ大統領と習近平国家主席(写真:AFP=時事)

生産放棄と中国独占

なぜ、レアアースが急所になるのか。原因は生産シェアにある。

中国はレアアースの世界生産の7割を占有する(下図①)。埋蔵量は世界の約半分(同③)。採鉱後の精錬は9割を握っている(同②)。ポイントは精錬シェアだ。各国は自国で採鉱しても、一度中国へ輸出し産業で使うための精錬や加工をしたうえで再輸入しなければならない。中国が拒めばレアアースの精製品は入らないのだ。この構造こそがレアアースを中国の「武器」たらしめている。

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