ウエルシアとツルハが経営統合「ドラッグストア戦国時代」に大手同士が手を組み〈巨大チェーン〉が登場した納得事情
ドラッグストアのウエルシアとツルハが経営統合して、売上高2兆円を超す巨大ドラッグストアチェーンが誕生したことは、さまざまなメディアで報じられ、多くの人がご存じであろう。経営統合後の「新ツルハ」にイオンが株式公開買い付け(TOB)をして子会社化する計画となっている。
それに関連して筆者もマスコミの若手記者から「ドラッグストア業界は、なんで1位と2位との巨大統合が起こるの?」といった業界の歴史的背景を聞かれることが多かった。
筆者は2000年代から小売ウォッチャーだったから当たり前のことだと思っていたことも、世代が違えば実感がないのは当然であろう。そこで今回は、巨大統合が起こった歴史的背景や経緯について、データを見ながら概観してみる。
ドラッグストアの歴史
ドラッグストア業界には業界団体として、一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会がある。ここが「日本のドラッグストア実態調査」という報告書で、統計的なデータも公表しており、その第一回が2000年である。
医薬品と化粧品を中心に販売するドラッグストアというものはその前からあったが、業界として認識されたのもその頃から、ということであろう。
なんといっても、マツモトキヨシが東京の繁華街に進出し、若い女性に人気となり、1990年代後半から大々的にテレビCMを打って「マツキヨ」をドラッグストアの代名詞として定着させたという時代を思い出す。
「マ・ツ・モ・ト・キ・ヨ・シ♫」という音階を首都圏では知らぬものがいない、というほどの状況を作り出した。実質的にはドラッグストアの歴史はこのあたりから始まると、おおむね理解していいだろう(正確にはもっといろいろあるが、大勢に影響しないので大幅に割愛する)。



















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