ウエルシアとツルハが経営統合「ドラッグストア戦国時代」に大手同士が手を組み〈巨大チェーン〉が登場した納得事情

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実際には1990年代からドラッグストアというものは全国各地で一斉に存在感を増し、協会データによれば、ピーク時には700社弱ほど存在していたようだ。しかし、勃興期の初め頃に成長して存在感を示すことができたのは、3大都市圏にいち早く店舗網を築いた会社(マツキヨ、コクミン、スギ薬局)などだった。

その理由は、今では地方のドラッグストアがある場所は、ほとんどが幹線道路沿い(以下、ロードサイド)なのだが、1990年代にはまだロードサイドに主要顧客たる女性消費者の人流が多くなかったからである。

女性の運転免許取得とドラッグストアの深い関係

1990年代当時もロードサイドの商業立地はすでにあり、総合スーパーやカー用品店、ホームセンターといった店はあった。ただその頃はドライバーの大半が男性であり、家には1台しかクルマはないため、家庭のドライバーである父親が仕事に行っている平日には、クルマは駐車場にあり、運転免許のない女性層が平日に食品や日用消耗品の買物に行くときにはクルマは使われなかった。

そのため、その頃の地方ドラッグストアは、今のようにロードサイドではなく、中心市街地に出店するしかなく、店舗数を増やすことができなかった(大都市圏のような人流のある場所は少ない)。その状況を変えたのが、女性の免許取得率上昇とパーソナルカー軽自動車の普及である。

これにより、地方ロードサイドは女性客が機動力を持って行き来する場所になり、無限に出店余地があるロードサイドに店を出すことで、ドラッグストアは地方で急成長を遂げることとなった。

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