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1ドル160円が遠のいた「日米協調で円安修正」というナラティブは賞味期限いつまで?2024年と違いアメリカは利下げ終盤、円売り投機に過熱感なし

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アメリカが協調したという介入観測は新バージョン(写真:Bloomberg)

ドル円相場はレートチェック(通貨当局が為替介入の前段階として為替市場の取引レートを問い合わせ)を含む日米協調介入への思惑から大きく値を下げている。

日本銀行が1月26日夕方に公表した27日の当座預金増減要因の予想値(為替介入が行われていた場合、決済額を含む)は短資会社各社による事前の推計値との差が平均で4300億円程度で、1ドル158円から154円割れを引き起こすほど大規模な円買い・ドル売り介入の形跡はなかった。

もちろん、超少額の介入が行われた可能性は否定できないものの、基本的には「アメリカまでも(レートチェックを通じて)円安修正に本気」という真偽不明の一種のナラティブが調整を強いたと考えるべきだろう。

もちろん、介入額が超少額であっても、そのナラティブとの合わせ技であれば効果は大きいだろう。確かに、歴史を振り返ってもそうした実例はないため、これが常態化するようであればもう1ドル160円定着は難しいかもしれない。

「相手がある話」の為替市場において、双方の利害が一致し、望み通りの方向に向かって策を講じればそれは100%実現する。しかも、その相手が基軸通貨国アメリカであればなおさらだ。

2024年の「1ドル160円」との3つの違い

政治的な実情はわかりようがないため、あくまで推測の話をするしかないが、今回の1ドル160円前後と2024年4~7月に直面した1ドル160円前後を比較すると、大別して3点の違いがあるように思う。

2点は円高が長続きしない材料、もう1点は円高を後押しする続く材料である。今回の必殺とも言える日米協調の施策がいつまでドル円相場を押し下げられるだろうか。簡単に検討してみたい。

まず、1点目の違いは過去の本欄でも論じているように、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)の金融政策姿勢だ。

24年当時は”fed pivot”のフレーズが示す通り、アメリカの利下げ転換がゲームチャンジャーになるとの期待が常時漂う中で円買い・ドル売り介入が行われていた。つまり、「アメリカがドル安寄りの政策を講じているタイミングで日本が円高寄りの政策を講じている」という状況にあり、円高・ドル安への反転は必然の帰結でもあった。

しかし、今回、FRBは利下げ終盤に差し掛かっており、果たしてドル安・円高がどこまで加速するのか疑わしい。そもそもドル安でも大して円高にならなかったというのが25年の経験であり、米金利が底打ちした場合、円安となる可能性が高いと考えるのが自然だろう。

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