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「ドル円」の数字だけを見て円安を語ることなかれ 対ドル160円、対ユーロ170円、対ポンド200円は節目

全方位に円安が堂々と続いてきた(写真:Bloomberg)
※本記事は2024年6月29日6:00まで無料で全文をご覧いただけます。それ以降は有料会員限定となります。
「隠れ円安」という言葉を最近目にした。厳密には6月19日付の日本経済新聞における「『隠れ円安』進行、英ポンド200円突破 及ばぬ介入神通力」と題した記事がそれだ。
調べてみると、この「隠れ円安」という言葉は2023年11月および今年2月にも登場しており、周囲でも耳にすることがある。認知度は相応に高いように感じられる。
しかし、「隠れ円安」と表現すると仰々しいが、これは要するに「実効円相場の下落」であろう。実効円相場とは、諸通貨との為替相場を各国との貿易額などでウェート付けし集計したものだ。
隠れているわけではなかった「対他通貨でも円安」
過去2年間、本コラムでは需給構造の分析を通じて「実効ベースで円が下落しているのが本質であり、円安を『ドル高の裏返し』と理解するのは危険」といった趣旨の主張を重ねてきた経緯がある。例えば約1年前の下記コラムは大変多くの方に読んでいただいたいたが、やはり実効相場を通じた状況把握を勧めている。(「どうせ円高に戻るはず」という時代遅れの発想)
要するに円安は決して「隠れ」ているわけではない。単にメディアもアナリストも、ドル/円相場の議論に終始し、他通貨動向への関心が薄かったというだけの話だろう。
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