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世界で突出、思わぬ「円安」が2024年も続くのか アメリカの利下げ転換がもたらす「円高の芽」

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「2024年は円高の年」のはずが、年明けから1ドル=140円台後半が続く。再び150円超えをうかがうのか。円高シナリオは崩れたのか。

地球儀と1万円札
主要国通貨のなかで下落が際だつ円(写真:manoimage / PIXTA)

2024年最初の1カ月が終わろうとしている。ここで円の現在地を名目実効相場(NEER、複数通貨との間のレートを貿易量で加重平均)およびスポットレートから確認しておきたい。

名目実効相場で見た場合、最強通貨はドルで1.8%の上昇、最弱通貨は円で3.1%の下落だった。ちなみにトルコリラは1.0%の下落だったので、この1カ月に限れば円の下落スピードはトルコリラのそれよりも大分早かったことになる。

まだ年初ゆえ、2023年通年の仕上がりも考慮した上で2024年初来の動きを積み上げてみると、最強通貨はスイスフランで7.0%の上昇、最弱通貨は円で9.4%の下落となる。名目実効相場で評価した場合、他通貨は2023年の反動が目立つ1カ月だったが、円だけが明確に続落しているのは目に付く。

振り向けば「トルコとアルゼンチン」

次に、対ドルの変化率を主要通貨全般について見ると、トルコリラとアルゼンチンペソはスケールの問題もあり除外するが、2024年初来で最強通貨はロシアルーブルで0.3%の上昇、他の通貨はすべて対ドルで下落している(ロシアルーブルは2023年が24%の下落だったことの反動である)。

名目実効相場でも示されたように、基本的に2024年の最初の1カ月は、ドル全面高の裏返しで多くの通貨が下落を強いられた局面だったと言える。その中でも特に弱い通貨が円で5%の下落だった。

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