日本銀行とBIS(国際決済銀行)が算出・公表している円の実質実効為替レートがついにデータがさかのぼれる1970年以降の最低水準を下回った。これまでのボトムは1970年8月だったが、今年8月にその水準を下回り、9月はさらに下落している。実質的に史上最安値を更新し続ける円は、政策が現状から大きく転換されなければ、どこまで下落が続くのかメドが立たなくなっている。
円は2年連続で最弱通貨の1つで、来年も同じか
名目の為替相場でみると、円の対米ドルの史上最安値は1970年代初の360円だ。しかし、金やスイスフランに対して円は名目でもすでに史上最安値となっている。金の円建て価格の上昇が話題になるが、円の金に対する価値が下落している側面も大きい。
一昨年、円は主要通貨の中で最弱通貨だった。昨年はスウェーデンクローナの方が若干弱かったが、主要通貨の中で2番目に弱い通貨だった。今年は今のところ最弱通貨となっており、円は3年連続で最弱通貨の1つとなる可能性が高まっている。過去30年間、円が主要通貨の中で3年連続最弱2通貨だったことはない。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら