有料会員限定

2024年も日本円は4年連続で世界の弱い通貨に 1ドル=150円水準の円安、反転の兆しもない

✎ 1〜 ✎ 290 ✎ 291 ✎ 292 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
円安 150円
2年連続で1ドル=150円水準の円安だが、円は実質レートでも最弱が続いている。(撮影:今井康一)

日本銀行とBIS(国際決済銀行)が算出・公表している円の実質実効為替レートがついにデータがさかのぼれる1970年以降の最低水準を下回った。これまでのボトムは1970年8月だったが、今年8月にその水準を下回り、9月はさらに下落している。実質的に史上最安値を更新し続ける円は、政策が現状から大きく転換されなければ、どこまで下落が続くのかメドが立たなくなっている。

円は2年連続で最弱通貨の1つで、来年も同じか

名目の為替相場でみると、円の対米ドルの史上最安値は1970年代初の360円だ。しかし、金やスイスフランに対して円は名目でもすでに史上最安値となっている。金の円建て価格の上昇が話題になるが、円の金に対する価値が下落している側面も大きい。

一昨年、円は主要通貨の中で最弱通貨だった。昨年はスウェーデンクローナの方が若干弱かったが、主要通貨の中で2番目に弱い通貨だった。今年は今のところ最弱通貨となっており、円は3年連続で最弱通貨の1つとなる可能性が高まっている。過去30年間、円が主要通貨の中で3年連続最弱2通貨だったことはない。

次ページ構造的に弱い円、循環的な円高はない
関連記事
トピックボードAD