
植田総裁就任後のYCC柔軟化は為替にも影響する。10月30、31日は政策決定会合もある(編集部撮影)
為替市場で円安ドル高の流れが続いている。10月3日のニューヨーク市場ではドル高円安が一段と進み、ドル円レートは一時1ドル=150円台に乗せた。
政府は1ドル=150円を第1防衛ライン、昨年の円安のピークであった1ドル=152円前後を第2防衛ライン、1ドル=155円を第3防衛ラインと考えているのではないか。1ドル=150円を超えて円安が進めば政府は円買いドル売り介入を継続的に実施するだろう。
円安阻止に向け、日本銀行がマイナス金利解除などの本格的な政策修正を早期に行うのではないかとの観測もある。実際には日銀が為替市場をターゲットにした政策運営を行うことはないだろう。日銀のマイナス金利解除は2024年後半になると予想され、当面は日銀の政策が為替市場の方向性を大きく左右することもないだろう。
為替市場の変動率を意識した日銀
しかし、今年7月に実施した、長期金利コントロールの枠組みであるYCC(イールドカーブ・コントロール)の運用柔軟化策は、為替市場のボラティリティー(変動率)低下を狙った側面があることを、日銀自身が認めている。
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