10月初めにドル円レートは瞬間的に150円をつけた後に乱高下し、財務省による為替介入の観測も出た。実際はレートチェックのみで介入は行われていないとの見方が強いが、昨秋の急激な円安の進行時には、145円で為替介入が実施され、150円に達した際にも再度実施された。昨年は145円で実施した介入を今回150円到達でもまだ行っていないのは、米長期金利がすでに昨秋の水準を大きく上回り、介入でドル高の流れを完全に断ち切るのは難しいと考えているからだろう。
1ドル150円の常態化には説得力がある
FRB(米連邦準備制度理事会)が来年にかけて政策金利を長期間据え置く公算が強まり、米長期金利も同様に高止まる見通しに市場が傾いている。それらを踏まえると、為替水準も現在のドル高円安水準が今後ある程度固定化されてくる可能性は否定できない。このような基本認識が日本の政策当局内にもあるからこそ、おそらく無理やり為替の方向感を逆転させようとするような強引な介入は回避しているのだと推測される。
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