円高なら物価下落で金利低下、円安なら物価上昇で金利は上昇する。

金利と為替の関係も経済に与える影響は大きい(写真:funi / PIXTA)
日本銀行が17年ぶりに利上げを実施。「金利のある世界」が復活した。本特集では、金利上昇がもたらす企業や経済、生活への影響を分析。金利に関する“キホンのキ”も詳細に解説している。
金利と為替の関係も重要な視点だ。ここでは円が高くなったり、安くなったりする要因について、できるだけ平易に解説してみたい。
為替もまた金利を動かす要因の1つだ。為替相場は円とドルをはじめ、異なる2つの通貨の交換比率である。よく「円が高くなった」「安くなった」と言うのは、ある時期に比べてどう変わったかを示している。
鉱物資源に恵まれていない日本企業は、海外から原油などの原材料のほか、製品も大量に輸入している。そのため為替相場の変動が国内の物価に及ぼす影響は大きい。為替が円高になれば、原油や天然ガス、鉄鉱石など製品を造るために輸入している原材料の価格が安くなる結果、日本国内の製品価格も安くなって物価は下がる。
物価が下がる=デフレだと、金利も下がる
結果的に、前述したとおり物価が下がると金利も下がるので、「円高→物価下落→金利低下」になるわけだ。
また以前のようなデフレ(物価下落)局面では、円高で輸入品の価格が下がると、国内の製品は強い値下げ圧力を受ける。それを食い止めようと、「日本銀行が新たな金融緩和を行うのではないか」との予想が金融市場で強まって、金利が低下する要因になる。
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