アメリカではインフレが加速し、利下げ路線が進まない可能性も残る。
日本銀行が17年ぶりに利上げを実施。「金利のある世界」が復活した。本特集では、金利上昇がもたらす企業や経済、生活への影響を分析。金利に関する“キホンのキ”も詳細に解説している。
ここではアメリカのトランプ次期政権発足後の金融政策について見通した。
(本稿の執筆は12月10日時点で、17・18日のFOMC開催前である)
アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)には2つ責務がある。「雇用の最大化」「物価の安定」だ。
雇用環境の悪化とインフレの沈静化が見え始めたことから、FRBは2024年9月から11月に2回、計0.75%の利下げを行った。失業率が4%強と歴史的に極めて低く、インフレ率もまだ2%の目標を超える段階だったが、それでもFRBが利下げに踏み切ったのには理由がある。
利下げは景気減速に先手を打ったもの
第1に金融政策の効果が経済全体に及ぶまでにはタイムラグがあること。期間は1年から2年とされており、早めに手を打たないと手遅れになりかねない。
アメリカでは商業用不動産の価格下落の結果、オフィスビル向け融資の延滞率が8%超まで上昇、個人のクレジットカード融資の90日以上延滞比率も10%を超え、一部の脆弱な分野が待ったなしの状況だ。
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