トランプ再来で市場が描く為替の"未来予想図" インフレ誘発政策が米利下げを阻んで「円安」へ

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アメリカの利下げは想定より短命に終わりそうだ。トランプ氏の望みは「ドル安・低金利」だが、減税や関税はインフレは過熱させる。

パウエルFRB議長(右)はトランプ氏のせいで利下げできないのに叱られる展開に?(写真:Bloomberg)
※本記事は2024年11月10日18:00まで無料で全文をご覧いただけます。それ以降は有料会員限定となります。

11月6日から7日にかけて開催されたFOMC(アメリカ連邦公開市場委員会)は市場予想通り、FF金利誘導目標を4.50~4.75%へ0.25%ポイント引き下げた。引き下げは2会合連続となる。

パウエルFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)議長は「勝利宣言はしないが、今後数年間、でこぼこ道を経つつもインフレ率が2%前後で落ち着くというストーリーはかなり一貫性がある」と述べており、追加利下げの可能性に含みを持たせている。

もっとも、10月以降、アメリカの経済指標で強い内容が相次ぎ、利下げの正当性に疑義が生じているのも事実である。

問題は、12月利下げ「スキップ」の先

11月初頭に発表されたアメリカ10月雇用統計の衝撃的な弱さに関しても、パウエル議長はストライキやハリケーンの影響を差し引けば相応に強かった可能性に言及した。失業率についても、上昇しているとはいえ、依然として低位にあることを踏まえれば、労働市場の減速には予断を持てないとの姿勢を示している。

その上でコアインフレ率が家賃更新のラグなどを背景として、減速にはいまだ時間を要する可能性にも言及が見られた。

こうしたFRBからの情報発信を受けて、本稿執筆時点では12月17~18日のFOMCについて現状維持を3割強織り込む状況にある。

要するに「9月に始まった利下げ局面は、2回の利下げ決定を経ていったんお休み」との思惑が相応に強まっており、これがドル/円相場で円高進行の歯止めとなっている側面もある。

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