トランプ氏の”腹”次第でインフレの行方が決まる。パウエル議長率いるFRBとの関係も焦点だ。
アメリカの次期大統領に2025年1月、トランプ氏が就任する。トランプ氏の政策は、高関税や移民制限、大型減税など、インフレを呼び、ドル高を招きそうな政策が多い。その反面、トランプ氏は自国の製造業の輸出を強化するなど、もともとはドル安志向の考えを持つ。
他方、利下げ路線を取る連邦準備制度理事会(FRB)は、トランプ氏復活を受けて、今後、方向性に変化が生じるのか。
気鋭のアナリスト、馬渕磨理子氏にアメリカの金融政策について直撃した。
トランプ氏の政策はインフレを呼びドル高を招く
──アメリカではトランプ氏が大統領選挙に勝利し、円安ドル高が加速しました。
自国通貨安は輸出に有利という経済学な見地から、トランプ氏はもともとドル安を志向している。一方で、個別具体的な政策を見ると、話は異なるようだ。関税の引き上げは輸入物価を押し上げる。移民の制限は労働力の供給量を少なくし、需給のバランスが崩れやはり物価は高くなる。人手不足で賃金も上昇する。選挙のために打ち出した政策はことごとく、インフレの要因と目されている。
そうなると、ようやく見えてきた経済のソフトランディングが遠のき、再び金利を引き上げ、ドル高を招きかねない。トランプ氏の大メッセージであるドル安とは政策の整合性が取れていない。金融市場はドライで夢物語を信じないため、結果としてドル高(円安)相場を読んだ格好だ。
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら