三菱自動車・商品戦略トップが語る「新車強化」方針、「国内ラインナップは2つの新型車準備」、拡大戦略の母国市場で商品強化明言、北米での日産ホンダ協業は議論中
特集「三菱自動車 日本最小自動車メーカーの生き残り策」の他の記事を読む
――現状のグローバルラインナップをどのように評価していますか。
当社は経営規模が大きくないので、たくさんの車種を維持することは難しくなっている。自社開発はグローバルで8車種程度が限界だと思う。
ピックアップトラック「トライトン」とその派生車種、SUV(スポーツ用多目的車)「アウトランダー」と「アウトランダースポーツ(RVR)」、東南アジア向けのSUV「デスティネーター」「エクスフォース」SUVミニバン「エクスパンダー」、日本のミニバン「デリカD:5」が主となる。
新興国の中でも力を入れている東南アジアと、先進国である北米や日本では置かれている環境がまったく違う。例えばアメリカは衝突性能に対する基準が厳しく、環境規制も異なる。そうすると必要なものが変わってくる。同じ車種をグローバルで売ろうとするとコストが高くなって、地域によって売れなくなる。
あえて「少し外した」車づくりが必要
――地域別で開発車種を分ける必要がある、と。
その通り。ざっくり言えば、新興国と先進国で4:4になる。国内には軽自動車があるがその次のサイズの車種をどうするか。コンパクトカーやSUVを単純に投入しても、いわゆるレッドオーシャンに飛び込んでいくような車で販売側が売りにくく、三菱自のイメージや規模では他社にかなわず値引きに走ってしまう。
漁場の大きいところはいわゆるレッドオーシャンなので、三菱自のイメージや規模では勝ち目はない。あえて「少し外した」車づくりが必要だと思っている。
――主戦場とする東南アジアでは中国勢との競争が激化しています。
中国勢はEV(電気自動車)だけでなく、低価格とこれまでになかった機能の物珍しさといった特徴があり、売りやすい車を持つ。先ほどのレッドオーシャンと同じ話で、われわれは彼らと異なる価値で購入してくれる顧客に売る。トヨタ自動車などフルラインナップメーカーはそうもいかないだろうが、三菱の規模ならできるはずだ。真っ向から戦うのではなく、別の特徴で勝負する。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら