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関税で荒れる株式市場もおかまいなし、トランプ氏はアルゼンチンをお手本に「痛みを伴う改革」を断行、負担拡大に有権者は耐えられるのか

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次々に大統領令にサイン。4月2日には相互関税に踏み切る構え(写真:Bloomberg)

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本記事は2025年3月26日6:00まで無料の会員登録で全文をお読みいただけます。それ以降は有料会員限定となります。

第1次トランプ政権(トランプ1.0)では、アメリカの株価の大幅下落が経済成長を削ぐ過激策導入の抑止力となっていた。株価下落に応じトランプ氏が政策を軌道修正する行為は、「トランプ・プット」とも呼ばれていた。

第2次トランプ政権(トランプ2.0)でも、発足当初は「トランプ・プット」が期待されていた。つまり、インフレを招き成長を妨げる政策よりも、成長促進策をトランプ氏は優先すると見られていた。

しかし、政権発足から2カ月が経過した今日、それは期待できないとの見方が支配的だ。3月初め、トランプ氏は「株価は見ていない」とまで語り、各種関税発動を断行している。

さらには1期目で抑止力となった市場寄りの政府高官が2期目はほぼ存在しない。つまり、市場に悪影響を及ぼす政策導入を阻止する側近がいない。過去8年強でトランプ氏寄りにシフトした共和党の議員たちも、抑止力とはなっていない。

インフレ抑制を期待されたのに、インフレ悪化へ

2024年大統領選の最大の争点は物価高であった。バイデン政権下で、パンデミックやロシアによるウクライナ侵攻の影響も受け、約40年ぶりの高水準のインフレを経験。そのため、多数の国民がインフレを抑えることを公約したトランプ氏に期待をかけ、同氏の当選を後押しした。

だが、トランプ政権発足後、インフレは引き続きFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)の目標値2%を上回る状況が続き、国民のインフレ懸念は払拭されないままだ。トランプ政権が打ち出す関税政策で、今後、ますますインフレ悪化は必至だ。

ミシガン大学の3月の消費者信頼感指数(速報値)は57.9ポイントと約2年半ぶりの低水準を記録した。中国、メキシコ、カナダに対する関税、全世界に対する鉄鋼・アルミ関税、政府支出の削減、政府職員の解雇、不法移民の強制送還などにより、市場のボラティリティは増している。

トランプ政権が2~3月以降に本格的に施行した成長を削ぐこれら政策の影響は、間もなく経済指標にも現れ始めることが予想されている。

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