トランプ氏は危険な世界をより危うくするのか 内を向くアメリカは第2次世界大戦前に重なる
1月20日、トランプ氏がアメリカ大統領に就任する世界はどう変わるのか。
1月6日、米連邦議会の上下両院合同会議はトランプ前大統領が勝利した2024年大統領選結果を認定した。1月20日に発足する第2次トランプ政権(トランプ2.0)は、1期目(トランプ1.0)発足時に直面したよりもはるかに危険な世界を引き継ぐ。
バイデン政権下の現在、世界情勢はウクライナ紛争およびガザ・イスラエル紛争に伴う中東情勢悪化など不安定な状況だ。さらには中長期的な国家安全保障脅威として、中国・台湾間の緊張が続く中で米中関係もトランプ氏の対応次第ではリスク要因として燻る。さらにアメリカの同盟国であるフランス、ドイツ、韓国、カナダなども内政が不安定だ。
なお、アメリカ国内では二極化が進み懸念が広がっている。政治的暴力を煽る発言は両党で日常茶飯事となりつつある。パレスチナ支持派や反トランプ派のデモ活動などによって広がる可能性がある社会不安、そして元旦に起きたような過激派組織「イスラム国(IS)」などにより感化された国内テロ事件のリスクの高まりも頭痛の種だ。
このように国内外の情勢が不安定な危険な状況下、トランプ2.0は始動する。
「新たな悪の枢軸」が地殻変動をもたらす
今日、ロシア、イラン、中国、北朝鮮の4カ国の反欧米連合が生まれている。ウクライナ紛争では、中国の軍事技術や貿易面での協力、北朝鮮のミサイルや兵士、イランのドローンなどが戦闘継続のうえで支えとなっている。
アメリカのミッチ・マコネル前上院院内総務をはじめ共和党保守派は近年、この反欧米連合を「新たな悪の枢軸」と呼んでいる。2002年1月の一般教書演説でジョージ・W・ブッシュ元大統領がイラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」と批判したことになぞらえたものだ。
マコネル氏は大国間競争に加え、テロの脅威による国際情勢リスクの高まりについて警鐘を鳴らしている。
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