意外と思われるかもしれないが、大統領は政策の詳細に通じている必要はない。大切なのは、国民に対してメッセージを送る優れたコミュニケーターであるかどうかだ。過去の偉大な大統領には、つねに寄り添い、戦略を練り上げる優れたスタッフがいた。
トランプの場合、明確な政治的な原理原則があるわけではないが、賛成するか、反対するかどうかは別にして、彼にはたとえ破壊的な内容であってもメッセージを国民に送る能力がある。そして今、トランプの近くにはリベラルな制度を廃止し、伝統的な価値観でアメリカを根本から作り変えようとしている保守主義者の集団が存在する。
トランプは、彼らが書いたシナリオに沿って、見事に政治ドラマを演じている。彼はシナリオライターの中の一人に絶大な信頼を寄せている。
39歳にして「ホワイトハウス内にライバルなし」
「2007年の春は重要な年である。用心深い目をし、強烈な反移民主義の意見を持つ情熱的な青年がデューク大学を卒業し、共和党の活動家として流星のように登場した年である」と、『ニューヨーク・タイムズ』は2019年8月17日付の記事(「How Stephen Miller Seized the Moment to Battle Immigration」)で書いている。その「情熱的な青年」は22歳のスティーブン・ミラーである。
それから6年後の2025年1月16日の『ニューヨーク・タイムズ』は、「スティーブン・ミラーはトランプの第1次政権の強硬な移民政策の構築者であった。そして、今、大統領に対する影響力を強めて戻ってきた」と書く。ミラーが第2次トランプ政権の中枢において最も重要な地位を占めていると指摘しているが、彼はまだ39歳でしかない。
政治専門誌の『National Journal』は、「39歳のミラーはトランプ・チーム内で支配的な地位を確立し、現在、すべての会合を仕切っている」と、その影響力の大きさを指摘している(1月27日、「The top influencers in Trump’s White House」)。
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