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政府機関閉鎖の懸念が続くアメリカを信用するか 格付け会社はガバナンスに注目が移っている

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アメリカ議会 政府機関閉鎖

米国議会は政府機関閉鎖を土壇場で回避したが、激しい政争が続き、先行きは不透明だ(写真:Haiyun Jiang / The New York Times)

アメリカ国債のソブリン格付けが揺らいでいる。フィッチが同格付けを下げたのは今夏のこと。9月末にはアメリカで予算合意ができないことを理由に政府機関閉鎖が取り沙汰された。

そのさなか、9月25日にアメリカ国債の格付けをなお最上位のAaaとしているムーディーズが「財政赤字の拡大や債務負担能力の悪化によって財政力が低下しているときに、政治的二極化の激化により財政政策決定が大きく制約される」ため、政府機関の閉鎖はアメリカの「クレジットネガティブ」になると指摘。政府機関閉鎖による経済への影響自体は短期的だとする一方で、金利上昇と債務残高の膨張で年間の返済負担が増え、財政の柔軟性が低下することも問題視し、格付けも低下する可能性が大きいと示唆した。

Aaa喪失リスクを気にしたわけではないだろうが、アメリカ議会は10月1日0時の期限ぎりぎりにつなぎ予算案を可決した。当面の政府機関閉鎖リスクが回避され、同時にアメリカ国債格下げリスクもいったん封印された。

政府機関閉鎖は経済にどう影響するか?

今後の参考のために頭の体操をしたい。政府機関閉鎖による経済への影響を考えると次の通りだ。

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