過去10年にわたり多くのエコノミストが、政府支出を借金で賄うメリットは借金のコストをはるかに上回ると論じてきた。過剰債務は先進国にとっても問題になりうるという見解は広く無視され、異論はしばしば嘲笑の対象になった。伝統的に財政規律を強く擁護してきた国際通貨基金(IMF)でさえ、多額の財政赤字による景気刺激策を支持し始めていた。
重い公的債務負担という問題
ところが、この2年で潮目は変わった。この種の魔術的思考が、高インフレと長期実質金利の復活という厳しい現実にぶち当たったためである。
IMFの上級エコノミスト3人による最近の分析は、注目すべきシフトを浮き彫りにしている。その予測によると、長期成長率見通しの低下から、先進国の平均債務レベルは2028年までに国内総生産(GDP)比で120%へと上昇する。同分析は、借り入れ費用の高まりが「ニューノーマル(新たな常態)」となったことで、先進各国は「着実に財政余力を立て直し、債務の持続可能性を確実なもの」にしていく必要があるとも述べている。
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