日本銀行は2013年4月、2%インフレ目標の達成を狙って、量的質的金融緩和政策(QQE)を導入した。その一環として、民間から長期国債を買い入れ、引き換えに日銀当座預金を発行するというオペレーションが実施されてきた。名目利子率が下限に達した中にあって、日銀は長期国債買い入れが名目利子率の引き下げに代わる景気刺激手段となることに期待を寄せた。
本稿では、中央銀行の長期国債買い入れがゼロ金利下の経済にどのように影響するのかについて、マクロ経済理論の観点から整理したい。最初にニューケインジアン型の動学的一般均衡モデル、次に「物価水準の財政理論」の枠組みの中で、長期国債買い入れがどのような効果を持つかを説明する。
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