年に4回発刊される『会社四季報』は、記者の取材に基づく業績の独自予想が特徴だ。最新の新春号(12月17日発売予定)では、上場企業の多くを占める3月期決算企業の上期(4〜9月)を踏まえての通期予想の着地点が注目される。今期の半分以上を過ぎ、年度末に向け記者の予想精度も高まるタイミング。読み込めば、まだ市場で話題化していない“サプライズ決算予備軍”も見つかるかもしれない。
大手電機が上位にズラリ
まずは、上方修正ランキング。今期の純利益予想について、3カ月前に発売された四季報前号(秋号)と比べてどれだけ数字が引き上げられたか。「額」と「率」の2つを集計した。
上方修正額で1位となったのは日立製作所。純利益予想は前号より1000億円の増額、四季報は会社予想を600億円超過すると予想する。送配電設備の更新需要や再生可能エネルギー関連需要が堅調でパワーグリッド事業が好調なほか、鉄道などのモビリティー事業も伸びる。7位の三菱電機、8位のNECなど、大手電機各社の躍進も目立った。
2位はJT。海外でたばこの販売が想定以上で、価格改定も貢献する。会社側による上方修正は期中2回目と足元業績に勢いがある。3位はアドバンテスト。AI(人工知能)関連向け半導体の複雑化や性能向上、生産数量増加などで半導体検査装置の需要が拡大。今回、中期経営計画の目標数値も増額。この強い勢いは来期以降も持続する見通しだ。そのほか6位大成建設、12位鹿島をはじめ大手建設会社も複数ランクイン。建設業界の好調さが浮き彫りとなった。




















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