PERは高すぎる水準ではない
──日経平均は一時5万2000円台を記録した後、調整を挟んで推移しています。値動きの背景をどうみていますか。
これまでの日本株市場を振り返ると、2025年4〜5月中旬ごろに下落局面から反発し、6月までは横ばいで推移していた。これはグローバル対比では出遅れた水準だった。アメリカとの関税交渉が日本だけ進まず、関税率が高いままとなると、自動車など輸出セクターの価格競争力が大きく落ちることが懸念されていたためだ。
しかし、7月下旬に関税が合意されたことに加え、8月の企業決算が堅調だったことを踏まえて市場に安心感が広がった。その後、10月には自由民主党総裁選挙で高市早苗首相が誕生。アメリカのAI関連株の強さも相まって、日経平均は一気に5万円を突破したという流れだ。
10月からの上昇が急激だった分、11月中旬ごろからの調整は健全な範囲だといえる。PER(株価収益率)からみると割高感があるという主張もあるが、マーケットがすでに来期業績をみていることを踏まえれば、決して高すぎる水準ではないだろう。10〜11月の3月期企業の中間決算も堅調だったため、来期に向けて足場はしっかりしていると考えている。




















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