2026年に入って最も注目を集め続けているスタートアップは、間違いなくアンソロピックだ。OpenAIの元幹部らが2021年に設立したAI開発企業であり、わずか4年でARR(年間経常収益)が190億ドル(約3兆円)を超え、評価額は3800億ドル(約60兆円)に達するなど、世界でも類を見ない急成長を遂げている。いまやOpenAIを脅かす存在だ。
業界にも衝撃を与え続けている。そのアンソロピックはもともと法人向けビジネスに強く、同社が今年1月に公開したAIエージェント「Claude Cowork(クロード・コワーク)」は、チャットで質問に答えるだけでなく、資料作成やデータ分析などの事務作業を自動代行する。
この機能が既存の業務ソフトであるSaaS(Software as a Service)を置き換えるのではないかという見方が市場に広がり、アドビやセールスフォースなどSaaS銘柄の株価が大幅に下落、「SaaS is Dead(SaaSの死)」が話題になった。その後、AIの軍事利用を巡ってトランプ政権との対立も表面化した。いずれの話題も、アンソロピックのAIモデルClaudeが企業や政府にとって不可欠な存在になった証左と言える。
人件費の市場を狙うAI企業
「SaaS is Dead」がこれほどまでに叫ばれる背景には、いくつか理由がある。まず、AI企業と比べてSaaS企業の売上成長率が相対的に見劣りするからだ。SaaS企業はこれまで創業時から7〜8年かけて売上を100倍にすれば優等生と言われていたが、いま注目されているAI企業はそれを1〜2年で成し遂げる。






















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