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日銀の想定覆すイラン情勢、「利上げ路線」継続も原油高騰と円安で板挟み。ハト派色見せずに4~7月に苦渋の決断へ

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無難な回答に終始し、会見中から円高に振れた(写真:Bloomberg)

2026年春闘で5%超の賃上げが実現すれば利上げの環境が整うーー。利上げ路線を堅持してきた日本銀行のこのような想定が、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃で崩れつつある。

日銀は3月19日に開いた金融政策決定会合で政策金利を0.75%に据え置き、利上げを見送った。もともと春闘の結果を受けて4月以降に利上げする可能性が高いと市場関係者も予想していたため、今回の決定自体に驚きはない。

ただ、イラン情勢が加わったことで、焦点は次回以降の政策決定で日銀は何を判断材料にするか、それらをどう評価して利上げに動くのか、はたまた利下げの可能性も生じるのかに変わった。

原油高めぐり植田総裁は無難な回答に終始

先行きを見通すうえで中東情勢の緊迫化の影響は最大の変数となっている。第一の懸念は原油価格である。急騰して足元でも原油価格は1バレル=100ドル前後での推移が続く。

原油高は物価に対して二面性がある。エネルギーや原材料などのコストが上昇することで物価を押し上げる可能性がある一方、それによって需要が落ち込み景気悪化を招いて物価を押し下げるリスクもある。

3月19日に発表された日銀の声明文では「中東情勢の緊迫化を受けて、国際金融資本市場では不安定な動きがみられるほか、原油価格も大幅に上昇しており、今後の動向には注意が必要である」と景気下振れリスクの文言が盛り込まれた。一方で、「足もとの原油価格上昇の影響が(物価上昇率の)プラス幅を拡大する方向に作用すると考えられる」と物価についての上振れリスクも言及した。

そのため、会合後の植田和男・日銀総裁の会見でも関連する質問が集中した。ただ、植田氏は「一概に答えるのは難しい。一般論として物価上昇や景気悪化の影響の大きさなどを踏まえて最終的には2%の物価安定の目標の持続的、安定的な実現という観点から最も適切な対応を選択していくことになる」と無難な回答に終始。会見をうまくこなした。

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