有料会員限定

〈シャープ工場跡地が変貌〉KDDIが1年足らずで完成させた"最先端AIデータセンター"に横たわる課題…国内産業の転換点でAI実装を牽引できるか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
大阪・堺のシャープ工場跡地に完成したAI向けデータセンターをお披露目する、KDDIの松田浩路社長(記者撮影)

かつて国際貿易の拠点となる港町として栄え、「東洋のベニス」とも呼ばれた大阪・堺。現在は臨海工業地帯を擁し、大阪市のベッドタウンとして80万人が住む政令市だ。

大阪市の中心部から南に約15キロ離れた堺市最北部。大阪湾に面した工業地帯の一角に、2024年8月に生産を停止したシャープの液晶パネル工場の広大な跡地が広がっている。

1月22日、この地で薄型テレビ製造を支えてきた工場の1つが、日本のIT基盤を支える巨大施設に変貌した。KDDIが整備した、最先端のAI向けデータセンター(DC)だ。同日、開所式に臨んだKDDIの松田浩路社長は「社会インフラを担う事業者として、通信基盤に加え、AI基盤の両輪をもって、日本のデジタル社会の取り組みを加速したい」と強調した。

「居抜き」で整備期間を大幅短縮

稼働したDCは地上4階建てで、延べ床面積は約5.7万平方メートル。DCの規模を示す受電容量は最大50メガワット(MW)に上る。一般家庭に換算すると、1.2万世帯分の電力をまかなう規模感だ。AIの学習や推論を行ううえで重要な米エヌビディア製の最先端GPU(画像処理半導体)「GB200」を搭載したサーバー群を収容している。

KDDIが整備したAI向けデータセンターの外観(写真:KDDI)

施設には、電力を大量に消費するGPUサーバーの稼働に耐えうる電気設備や、高熱が生じるサーバーの温度を下げるための冷却設備が備わる。とくに冷却技術については、冷水を使ってサーバーを直接冷やす「水冷」方式を導入し、冷気などで冷やす従来型の「空冷」方式と比べて、15倍以上も1サーバーラック(棚)当たりの冷却能力を高めたという。まさに、AI向け利用に最適化されたDCといえる。

この施設の最大の特徴が、既存工場を「居抜き」で入手してDCに転用させている点だ。

次ページ今後数十倍に拡張余地
関連記事
トピックボードAD