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文系会社員でもわかる「データセンター入門」 Q&AでDC業界のプロがイチから解説

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データセンターは何のための施設で、中身はどうなっているのか。

通路の両側に設置されたサーバーのCGイラスト
(写真:phonlamaiphoto / PIXTA)

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かつて「黒子」だったデータセンターは、AIの進化で今や一国の安全保障をも左右する重要インフラとなっている。この熱狂はバブルか、リアルか。本特集ではその深層を追った。

国内での新設が相次ぐデータセンター(DC)。だが、その巨大なハコの実態はまさしく“ブラックボックス”だ。何のための施設で、中身はどうなっているのか。DCを知り尽くす業界のプロが解説する。

Q 何のための施設なの?

DCとは、企業などの利用者から預かったデータやシステムを、安全かつ安定的に保管・運用するための専用施設だ。インターネットにつながり、指示に応じて処理することで情報やサービスを提供する「サーバー」と呼ばれるコンピューターや、それをネットにつなぐための通信機器、利用者のデータを保管するためのストレージなどのICT機器が置かれている。

現代人の生活には、DCが不可欠だ。スマホで動画やSNSを閲覧する、交通系ICカードで決済をする、クラウド上に業務資料を保存する、カーナビで渋滞情報を確認する──。こんなとき、DCの中ではサーバーが動いている。DCというと、多くの人は郊外に立つ巨大な建物をイメージするかもしれないが、その形態はいくつかある。都心の高層ビルの何フロアかを借りている事例もある。

重要なのは、ICT機器を「安全かつ安定的に」稼働させること。その度合いによってランクがあり、国ごとに基準が違う。日本の場合、最も上位の「ティア4」は、DC専用の建物で、震度6クラスの地震にも耐えられる堅牢性がある、災害時も電気の供給を止めないための余剰な電気設備を備えている、24時間365日常駐管理されている、などの項目が基準となる。DCの稼働は1年のうち99.999%止めないのが標準だ。

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