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DeepSeekショックで「NVIDIA凋落説」は本当か 約88兆円の時価総額が1日で吹き飛んだ

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市場が目をむいたのはその開発コストの安さだった。

(写真:Bridget Bennett/Bloomberg)

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『週刊東洋経済』2月15日号の特集は「データセンター急拡大!」。ここでは、東洋経済オンラインの有料会員限定で先取り記事をお届けする。

1月28日、アメリカの大手半導体メーカー・エヌビディアの株価が17%もの暴落を見せた。およそ5890億ドル(約88兆円)の時価総額が1日で吹き飛んだ計算だ。日本の株式市場でも関連企業の株価は総崩れ。ソフトバンクグループや半導体製造装置メーカーの東京エレクトロンの株価は一時6%超、下落した。

発火点となったのは、中国の新興AI企業・ディープシークが発表した生成AIの最新モデルだ。米オープンAIや米グーグルのAIモデルに比肩するその性能もさることながら、市場が目をむいたのはその開発コストの安さだった。

ディープシークは、2048基のエヌビディア製GPU「H800」を使ってモデルの学習を行い、そのコストは560万ドル(約8億円)だったと主張する。一方、メタやマイクロソフトなどアメリカのIT企業はより高性能な「H100」を10万基単位で買い込んでおり、AIモデルの開発には数十億ドル規模のコストをかけてきたと言われている。

ディープシークが開発に用いた「H800」は、エヌビディアがアメリカによる対中輸出規制に対応して中国向けに開発したもの。処理性能が意図的に落とされている、いわばダウングレード品だ。このハードウェア面でのハンデキャップを、AIモデルの学習手法をより効率化させることで乗り越え、低コストにつなげたのだ。

今まで見込んでいたGPU需要は過大?

アメリカの巨大IT企業は、アマゾン、マイクロソフト、グーグル、メタの大手4社だけでエヌビディア製GPUの出荷のうち6割を占める大口顧客そのものだ。そのため株式市場は「今後、より“効率的に”高性能なモデルが開発できるのであれば、今まで見込んでいたGPU需要は過大だったのではないか」と反応し、エヌビディア株の暴落につながった。

実際、足元で、「ハイパースケーラー」と呼ばれるプレーヤーのAIインフラに対する投資規模はすさまじい。

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