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バブル期以来!「DC急増」で起こる電力非常事態 アメリカ北東部では電気代高騰も

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電力を大量消費するDC。電力会社には期待と不安が交錯する。

千葉印西変電所の全景
東電PGが新設した千葉印西変電所。デジタル化など技術の粋を集めた(写真:東京電力パワーグリッド)

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かつて「黒子」だったデータセンターは、AIの進化で今や一国の安全保障をも左右する重要インフラとなっている。この熱狂はバブルか、リアルか。本特集ではその深層を追った。

東京電力グループで送配電事業を担う東京電力パワーグリッド(東電PG)が、バブル期以来となる規模で、変電所や基幹送電線の増強を進めている。

2024年6月、24年ぶりの新設となる大規模な超高圧変電所を千葉県印西市で稼働させた。これに続き、同変電所内で新たに変圧器2台の増設工事に着手した。

さらに24年11月、印西市の別の場所に、新たな変電所用地を確保した。33年の稼働を見込む。

データセンターの立地が集中

成田空港からも程近い印西市は、「データセンター銀座」と呼ばれるほどデータセンターの立地が集中し、「INZAI」として世界でも名が通っている。

電力ケーブルが引かれた、同変電所に通じる地下トンネル(写真:東京電力パワーグリッド)

市によれば、「公表されているものだけでも建設中を含めて11社でおよそ30棟前後」もある。1棟で使用する電力の容量を5万キロワットと仮定した場合、30棟で150万キロワットにもなる。原子力発電所1.5基分に相当する。

しかし変電所など電力系統設備の増強は簡単ではない。通常、変電所は用地取得から建設が終わるまでに10〜15年かかるという。

東電は24年6月の千葉印西変電所の新設に際して4台のシールドマシン(掘削機)を同時に投入。電力ケーブルを敷設するためのトンネル工事を24時間体制で進め、稼働まで4年9カ月という超短期間で工事を終えた。

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