有料会員限定

半導体・データセンターだけじゃない!ソフトバンクグループの投資テーマに「電力」が急浮上の意味 巨大AIインフラを再エネで全部まかなえる?

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
ソフトバンクグループは、AGI(汎用人工知能)の先に見据えるASIの実現に向けて、「電力」を新たな投資テーマに掲げた(撮影:風間仁一郎)

特集「孫正義 動き出した最終章」の他の記事を読む

2月に東京都内で開かれたソフトバンクグループの決算説明会。1月にAIインフラへの5000億ドル(約75兆円)に及ぶ投資計画「スターゲート・プロジェクト」をぶち上げ、決算発表前週にはOpenAIとの合弁会社設立を発表するなど話題に事欠かず、メディアや投資家の注目は一段と高まっていた。

そんな中、同社の発信において、ひっそりと変化した点がある。「ASI(人工超知能)」の実現に向けた投資テーマだ。孫正義会長をして、その実現こそ自身の「生まれた理由」とまで言わしめるASIは、今のソフトバンクグループにとって最重要トピックと言っていい。

突如加わった4つ目のテーマ

ASI実現のために取り組むテーマとして、それまでは決算説明資料などにおいて、「チップ(半導体)」と「データセンター」「ロボット」の3つが挙げられてきた。実際、傘下に抱えるイギリスの半導体設計会社、アーム・ホールディングス関連の買収や国内外でのデータセンター計画など、ソフトバンクグループはこの指針に沿った手を打っている。

2月の説明会では、これら3つのテーマに、突如として「電力」が加わった。さらに後藤芳光CFO(最高財務責任者)は「ロボットはまだこの先の話で、まずやるべきはチップ⾯の強化とデータセンターへの電⼒の確保だ」と言及。優先順位では、電力がロボットを追い越していることも示唆した。

生成AIの開発や運用には、高い計算能力を供給するデータセンターの構築が欠かせない。ただ、データセンターは大量の電力を24時間消費する。そのうえ、IEA(国際エネルギー機関)によれば、ChatGPTとのやりとりはグーグル検索に対して、1回あたり10倍程度の電力を消費するという。こうした背景から、世界全体におけるデータセンターによる電力消費量は、急上昇が見込まれている。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD