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【独占】ソフトバンクGの金庫番が明かす”75兆円AI投資”の金策 実際の儲けはどれくらい?資金調達の勝算、みずほ銀行と対話は?

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孫正義氏の側近であり、巨艦・ソフトバンクグループのCFOを務める後藤氏。AIインフラへの巨額投資を表明する中、投資対効果への考え、金融機関との交渉状況などについて明かした(撮影:今井康一)

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ここに来て、ソフトバンクグループが攻勢をかけている。
1月、アメリカ国内におけるデータセンターなどのAIインフラに対し、今後4年間で5000億ドル(約75兆円)を投資する「スターゲート・プロジェクト」を発表。新会社に、ソフトバンクグループとOpenAI、オラクル、アラブ首長国連邦アブダビ首長国の投資会社であるMGXが出資することが決まった(ソフトバンクグループが描くAI戦略の詳細についてはこちら)。
発表直後には、アメリカの実業家であるイーロン・マスク氏からSNS上で「彼らは実際はお金を持っていない」と指摘される一幕も。実際のところ、資金集めの勝算はどれほどなのか。スターゲートにとどまらず、OpenAIへの追加出資や半導体企業の1兆円買収など、今年に入って攻めの投資計画を連発する中、財務規律は保てるのか。
後藤芳光CFO(最高財務責任者)に聞いた(インタビューは3月19日に実施)。

まもなく“第1号”を発表できる

――ここ数カ月で、孫正義会長のやりたいことがうっすらと見えてきました。

すごいねぇ。俺はまだわかんないけど……(笑)。

――まず、スターゲートについて伺います。ソフトバンクグループはOpenAIと「リードパートナー」を務めると同時に、「財務管理」も担うとされています。

うちとOpenAIによる、次世代に向けた大きなプロジェクトを進めるうえで、自然と役割が分かれた。

生成AIの世界では、間違いなくOpenAIがリーディングカンパニーだ。「Gemini」を擁するグーグルやアマゾンなども、生成AIサービスを始めているが、アクセス数ではChatGPTが圧倒的な差で他社を引き離している。

1カ月ほど前にDeepSeekが出てきたが、ChatGPTには相当な先行者メリットがあるはずだ。インターネットの勃興期、しばらく独走したヤフーと同じくらい大きな伸び方だ。

OpenAIには、新たなインフラであるデータセンターのコンピューティングパワーをどんどん使い、さらに生成AIを伸ばしてほしい。そのためにどういうデータセンターが必要か、といった知恵はOpenAIが出していく。われわれはファイナンスの経験が豊富なため、資金調達のリードを取り、このプロジェクトを成功させたい。

――そもそもスターゲートの会社自体、まだ設立されていません。いつ頃に設立する予定ですか。

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