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見えてきた孫正義の大戦略・・・ソフトバンクGが狙う「AIインフラ王」の座 半導体・データセンター・電力、そしてロボット。異次元投資は吉か凶か?

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今年68歳を迎える孫正義氏。日本を代表する実業家の最終章がいよいよ始まった(撮影:風間仁一郎)

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AI投資に一気にアクセルを踏むソフトバンクグループ。リスクを取って仕掛ける大勝負は吉か凶か。孫正義会長が描くAI戦略の展望と課題を追う。
【配信予定】
4月4日(金)見えてきた孫正義の大戦略、ソフトバンクGが狙う「AIインフラ王」の座
4月4日(金)【独占】ソフトバンクGの金庫番が明かす”75兆円AI投資”の金策

4月7日(月) 孫正義の側近が語る「75兆円AI投資」の舞台裏
4月15日(火) 75兆円投資は堅実?ソフトバンクGの「財務リスク」
4月16日(水) "半導体企業"を買いまくるソフトバンクGの狙い
4月18日(金) ソフトバンクのAI戦略に「電力」急浮上の深い意味
4月22日(火) ソフトバンク孫氏「OpenAI急接近」の期待と不安

孫正義率いる巨艦、ソフトバンクグループの勢いが止まらない。

4月1日、同社は生成AIサービス「ChatGPT」を開発したアメリカのOpenAIに、外部の投資家と最大で400億ドル(約5兆9800億円)を追加出資すると発表した。2025年12月にかけて段階的に出資を進め、ソフトバンクグループの実質的な追加出資額は最大で300億ドルを見込む。

ソフトバンクグループは数年前、OpenAIのスポンサー選びでマイクロソフトと天秤にかけられ、最終的に1兆円の投資機会を逃した経緯を持つ。それでも孫会長によるサム・アルトマンCEO(最高経営責任者)との粘り強い対話が実り、2024年9月以降、傘下のベンチャーキャピタルであるソフトバンク・ビジョン・ファンドから累計22億ドル(約3000億円)の出資を実現。国内外での合弁会社設立に動くなど、急速に関係性を深めていた。

「生成AIの世界では、間違いなくOpenAIがリーディングカンパニー。ChatGPTにはそうとうな先行者メリットがあるはず。インターネットの勃興期、しばらく独走したヤフーと同じくらい大きな伸び方だ」。孫会長の側近として知られるソフトバンクグループの後藤芳光CFO(最高財務責任者)は、そう期待を口にする。

年明けから“兆円規模”の投資が続々

2週間足らず前の3月20日には、アメリカの半導体設計会社、アンペア・コンピューティング・ホールディングスを買収すると発表した。取得価額は65億ドル(約9700億円)にのぼる。

アンペアは、次世代のクラウドコンピューティングや推論のAIワークロード向けに、高性能かつエネルギー効率に優れたプロセッサを設計している。ソフトバンクグループが傘下に抱えるイギリスの半導体設計会社、アーム・ホールディングスとのシナジーを狙う。

1月には、孫会長がドナルド・トランプ大統領と会見に臨み、今後4年間でアメリカ国内のデータセンターをはじめとするAIインフラに5000億ドル(約75兆円)を投資する計画もぶち上げたばかり。ビジョン・ファンドの低迷により財務面で守勢を余儀なくされ、生成AI革命の序盤は存在感の薄かったソフトバンクグループだが、今年に入って一気にアクセルを踏む。

孫会長が描くAI戦略の全貌はいったいどんなものなのか。その具体的な中身、実現への道筋を解き明かしていこう。

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