従来とは”桁違い”の規模へと大型化が想定されるデータセンター。整備をめぐって浮上する数々の難題に、日本企業はどう対峙するのか。
「生成AI(人工知能)の登場により、(中略)これまでの延長線上でデジタルインフラを捉えることは困難な変革期を迎えている」
将来的なデータセンターのあり方を議論する総務省と経済産業省の「デジタルインフラ整備に関する有識者会合」が10月、中間報告書を公表した。
政府は、特定地域に偏在する国内のデータセンターが災害時に一気に被害を受けるのを回避する「レジリエンス強化」の観点などから地方分散を推進し、2021年以降、同会合を定期開催してきた。議論を経てまとまった報告書で指摘されたのは、冒頭のように生成AIの出現によるデータセンターの変貌だった。
当初は「場所貸し」が中心だった
企業がシステムやクラウドを利用するのに必要なサーバーやネットワーク機器といったICT設備を収納するデータセンターは、大量のデータ通信を支える重要な社会基盤でもある。しかし国内のデータセンターは現在、8割超が関東と関西に集中している。
報告書は、「生成AIの台頭に伴うデータセンターの役割や用途の変化と大規模化の動きに留意が必要」とも言及。そのうえで、「地域分散に向け、政策的支援策を早急に検討すべき」と指摘した。政府が近くまとめる経済対策や補正予算案に、関連施策が盛り込まれる可能性もある。
国家の重要課題にも位置づけられるデータセンターの行方。AI時代に予測される大きな変化とは、いったいどのようなものなのか。
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