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「世界初」核融合商業発電へ動く米スタートアップ 2030年代初頭に温暖化ガスゼロ電力を供給

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科学者たちの夢が現実になりつつある。

(写真:Simon Simard/The New York Times)

マサチューセッツ工科大学(MIT)の科学者によって設立されたスタートアップ、コモンウェルス・フュージョン・システムズは、初の核融合発電所の建設をバージニア州で計画していると発表した。2030年代初頭に温暖化ガス排出ゼロの電力供給を目指す。

これは、太陽のエネルギー源となっている核融合を利用して商業発電を行う計画の中でも、とくに早く発表されたものの1つだ。核融合発電は科学者によって100年近く追求されているが、長く達成困難な目標となっていた。

理論的には、核融合炉は地球温暖化の原因となる二酸化炭素を放出することなく豊富に電力を供給でき、大規模な原子力事故を引き起こす危険性もない。ただ、この概念を研究室の外に持ち出して実際の電力インフラに実装するのはとてつもなく困難なことがわかっている。

2027年の技術実証を目指す

コモンウェルスは、核融合が持つ可能性の早期実現を目指すスタートアップの中で最も資金力が大きい。マサチューセッツ州で最初のパイロットプラントの建設を進めており、2027年には核融合発電の実現可能性を実証する計画だという。

バージニア州リッチモンド近郊に建設予定の新発電所から顧客に電力を販売する計画だが、まだ顧客と契約を交わしているわけはなく、送電網を通じて電力を供給する認可を規制当局から得ているわけでもない。

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