2期目のトランプ政権は1期目からどう変わるのか。
「われわれの前に立ちはだかるものは何もない(Nothing will stand in our way)」
この6単語の誓いをもって新大統領ドナルド・トランプは、2期目の政権を1期目からどう変えるつもりなのかを言い表した。大混乱をもたらすこの人物は4年間の空白を経て、アメリカを国内でははるかに保守的に、国外ではより帝国主義的にする考えを明確にした。
29分間の就任演説でトランプは、アメリカの理想を訴えることに時間を割かなかった。代わりに国内外に聞かせるべく攻撃的な口調で語ったのは、経験を蓄えたトランプの統治下にあるアメリカは“NO”という回答を一切受け付けない、という警告だ。
トランプは、世界がアメリカの寛大さにつけ込む時代を終わらせると述べ、新設する「外国歳入庁」に力を与えて「外国に関税や税金を課し、われわれの国民を豊かにする」と語った。
19世紀的な世界観、大統領令連発の意図
アメリカが建設したパナマ運河を中国が支配しているという誤った主張に続いたのは、「われわれはそれを取り戻す」という誓いだった。
トランプは過去の大統領を称賛したが、それはワシントンでもジェファーソンでもリンカーンでもなく、関税を愛した第25代大統領ウィリアム・マッキンリーだった。マッキンリーはアメリカ=スペイン戦争に関与し、フィリピン、グアム、プエルトリコを奪取、パナマ運河建設への道を整えた。
そうしたマッキンリー精神にのっとってトランプは、「われわれの明白な天命を追求する」というアメリカの発想を生き返らせた。1890年代に領土拡大を正当化するスローガンとなっていたものだ。
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