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トランプが「言行不一致」でも支持される奇妙さ "過激な公約の実行"を望まない支持者たち

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支持者たちが信じたいトランプの姿とは。

アメリカのドナルド・トランプ前大統領(写真:Emily Elconin/The New York Times)

ドナルド・トランプの政治的訴求力には奇妙な側面がある。トランプが「やる」と言っていることの多くが実行されるとは思われていないためにトランプに喜んで票を投じる人が数多くいる、というものだ。

トランプはこれまで、司法省を武器にして政敵を投獄するとほのめかしてきた。自身に忠誠を誓わない人間を政府から追放し、2020年の大統領選挙が盗まれたと認めない人物を採用するのは難しいだろうとも発言している。

さらに、警察官が何のとがめも受けることなく「とてつもなく乱暴な」ことを行えるようにする「本当に暴力的な1日」を持ち出したこともある。移民の大規模強制送還を公約するトランプは、それが「血なまぐさい事件」になるとも予言した。そうした語りに興奮する支持者は多数いるが、その一方で、そのような発言はすべて大がかりな演出の一部にすぎないと考えている人も大勢いる。

1期目には過激公約が実行されたが…

もちろん、発言が単なるパフォーマンスではないことを示す証拠はある。大統領在任期間中、トランプの独裁的な発言のいくつかは実際に現実となった。現にトランプは、イスラム教徒の入国禁止令を発動。自身に敵対する人物の捜査を命じ、選挙結果が自分の思い通りにならなかったときには暴徒を煽動した。

ただ、その他の事柄では行き詰まり、トランプの長広舌で繰り返された強権政治家的な語りの多くは実現しなかった。

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