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次世代エネルギー「核融合発電」の本当の現在地 スタートアップが続々設立、各国間競争も激化

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世界で注目度が上がっている核融合発電。スタートアップが続々と立ち上がったことで、商用化への機運が高まっている。

核融合実験装置「JT-60SA」
茨城県那珂市の世界最大の核融合実験装置「JT-60SA」(撮影:大澤 誠)

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世界で注目度が高まっている核融合(フュージョン)発電。スタートアップが続々と立ち上がったことで、商用化への機運が高まっている。その研究開発の現状はどうなっているのか? 原子力発電とどう違うのか?

「世界中でフュージョン(核融合)エネルギーの実用化機運がここ4、5年の間に非常に高まっている」。5月、都内のホテルで開催されたフュージョンエネルギー産業協議会(J-フュージョン)の設立記念会で、会長の小西哲之・京都フュージョニアリングCEOはそう強調した。

同会は核融合発電の産業化を目指し、内閣府主導で設立された一般社団法人だ。住友商事や三菱重工業といった大企業からスタートアップまで、核融合発電に携わる50団体が加入し、安全規制についての政策提言などに取り組む。

こうした業界団体が設立されたのは、冒頭の会長の発言どおり、潮目が変わってきたことが大きい。

「脱炭素の切り札」として期待

核融合発電は、原子核が融合する過程で生まれるエネルギーを発電に利用する。発電時に二酸化炭素を排出せず、高レベルの放射性廃棄物も出ないため、「脱炭素の切り札」として期待が高い。

核融合研究は1950年代から始まったが、実用化に至らないまま数十年が経過している。核融合発電は「実用化まであと50年といわれ続けて、50年」と揶揄されてきた。

一方で、J-フュージョンの副会長を務める住友商事の北島誠二執行役員は「核融合発電の実現まで50年、100年かかるといわれていたが、その時期はもっと手前になるのではないか」と語る。

5月に開催されたフュージョンエネルギー産業協議会の設立記念会の様子(撮影:梅谷秀司)
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