磁場、レーザー...… 各方式を徹底解説。

画像を拡大 (注)図の部品名の下に、該当部品の関連メーカーを記載
世界で注目度が高まっている核融合(フュージョン)発電。スタートアップが続々と立ち上がったことで、商用化への機運が高まっている。その研究開発の現状はどうなっているのか? 原子力発電とどう違うのか?
核融合発電には、磁場閉じ込め方式とレーザー方式がある。その違いとは? 核融合炉研究の第一人者、岡野邦彦・慶応大学元教授に核融合発電を知るための基本を解説してもらった。
Q1 磁場閉じ込め方式とは何ですか
超電導コイルでつくるねじれた磁場により発生したプラズマ(原子核と電子がバラバラになった状態)を閉じ込める方式のことだ。この方式では、プラズマを1億度以上の超高温にするため、ジャイロトロンなどのプラズマ加熱装置を用いる(上図)。
磁場閉じ込め方式はさらに「トカマク方式」と「ヘリカル方式」に大別される。トカマク方式には3種類のコイルがある。ドーナツ形の磁場をつくるトロイダル磁場コイル(TFコイル)、プラズマに電流を流すための磁場をつくる中心ソレノイドコイル(CSコイル)、プラズマの形や位置を制御するポロイダル磁場コイル(PFコイル)だ。TFコイルとCSコイルでねじれた磁場をつくり出す。
一方のヘリカル方式は、プラズマに電流を流さず、コイル自体をねじってプラズマを閉じ込める。
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