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「核融合発電」の実用化に立ちはだかる3つの壁 コスト低減、安全規制の策定…課題は山積み

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核融合発電の実用化へ取り組みが進む一方で、課題も多い。

プラズマ発生ボタンを押す高市大臣と盛山正仁・文部科学大臣
JT-60SAの運転開始記念式典には高市大臣(右)や盛山正仁・文部科学大臣(左)、EUの担当委員らが出席(写真:共同)

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世界で注目度が高まっている核融合(フュージョン)発電。スタートアップが続々と立ち上がったことで、商用化への機運が高まっている。その研究開発の現状はどうなっているのか? 原子力発電とどう違うのか?

「核融合発電の開発競争が激化している。日本政府としてもこの競争に打ち勝つために国家戦略を策定した」

2023年12月、世界最大の核融合実験装置、JT-60SAの運転開始記念式典で高市早苗・科学技術政策担当大臣はそう力説した。その言葉どおり、政府は世界で激化する核融合発電の開発競争に勝つべく、実用化に本腰を入れる。23年には、実用化に向けた国家戦略「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」を策定した。

同戦略では、量子科学技術研究開発機構(QST)に、研究開発から社会実装にまで取り組む拠点を設けることを盛り込んだ。

QSTは日本の核融合研究を牽引してきた機関の1つ。先述のJT-60SAもQSTの那珂(なか)研究所にあり、実用化に向けた超大型国際プロジェクトであるITER計画と連携して研究を進めている。政府はQSTやITERが採用するトカマク方式で原型炉を建設し、50年ごろの実用化を目指す計画だ。

実用化には課題も多い

トカマク以外の方式を採用するスタートアップも早期の実用化を狙う。レーザー方式を採用するEX-Fusionやヘリカル方式を採用するヘリカルフュージョンは30年代の発電実証を目指す。

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