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核融合炉建設に欠かせない「日本企業の技術力」 主要部品の製造担う三菱重工、古河電気工業…

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高い核融合炉の技術を持つメーカーが多い。

展示されるジャイロトロン
キヤノン電子管デバイスが製造したジャイロトロン(撮影:大澤 誠)

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世界で注目度が高まっている核融合(フュージョン)発電。スタートアップが続々と立ち上がったことで、商用化への機運が高まっている。その研究開発の現状はどうなっているのか? 原子力発電とどう違うのか?

スタートアップを中心に資金が集まり、開発が加速している核融合発電。実は日本には関連技術を保有する古参企業が多い。

古参企業は国内の核融合研究向けに部材の開発を長く行ってきた。一国で重要部材の要素技術を網羅しているのは世界で日本だけだ。7つの国と地域が共同で核融合発電の実現を目指すプロジェクト・ITERでも重要度の高い部材を日本企業が供給している。

キヤノン電子管デバイス(旧・東芝電子管デバイス)は磁場閉じ込め方式の加熱装置、ジャイロトロンを製造できる数少ない会社だ。現在、ITERの基準を満たすジャイロトロンを製造できるのは、同社とロシアの機関のみ。地政学リスクの観点からも、同社への発注が増えるのではとの期待が膨らむ。1つの炉で複数のジャイロトロンを使用する場合があるため、炉の建設数以上の受注が見込める。目下、将来の需要増を見据えた量産対応を進めている。

1980年ごろから国家プロジェクトに参加

強力な磁場でプラズマを閉じ込めるための巨大コイル(トロイダル磁場コイル)をITER向けに製造したのは、三菱重工業東芝エネルギーシステムズだ。

炉に組み込まれるコイル18基のうち8基の製作をこの2社が担当した。三菱重工業は1980年ごろから国家プロジェクトに参加しており、主要な実験装置の製造にも携わってきた。現在は量子科学技術研究開発機構と協力しながら原型炉建設を見据えた技術開発を進める。

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