実用化への機運がにわかに高まっているのは、国内外で誕生した核融合発電のスタートアップの存在が大きい。
従来、核融合研究は研究機関や大学が主導してきた。研究成果は着実に蓄積されているが、実用化に向けた開発は遅れが目立つ。
現在、日本やEU、米国など7つの国と地域が開発に携わる核融合実験炉、ITER(イーター)の建設が進む。しかし、ITERの稼働は目標としていた2025年から数年遅れる見通しだ。そこで、早期の商用化を目指し、これまでの研究成果を基に開発を進めるスタートアップが続々と生まれている。
米コモンウェルス・フュージョン・システムズは、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏らが出資し、累計調達額は3100億円超に及ぶ。日本でも京都フュージョニアリング、EX-Fusion、ヘリカルフュージョンなど多数の核融合スタートアップが巨額の資金調達を実現している。
英国政府の試算では、核融合発電の市場規模は将来的に520億〜1670億ポンド(約10兆〜33兆円)になる見通しで、各国政府も支援を強化する。日本では23年に、実用化に向けた初の国家戦略「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」が策定された。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら