有料会員限定

「6カ月で6つの戦争を終わらせた」と猛烈アピール、それでもトランプ大統領の「ノーベル平和賞」受賞は難しいワケ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
プーチン大統領とトランプ大統領
8月15日、アメリカのアラスカ州アンカレジのエルメンドルフ・リチャードソン統合基地での共同記者会見で握手するロシアのウラジーミル・プーチン大統領(左)とアメリカのドナルド・トランプ大統領。ウクライナ戦争終結に向けた目にみえる成果を上げることはできなかった(写真:ブルームバーグ)

10月10日に、今年のノーベル平和賞が発表される。アメリカのドナルド・トランプ大統領は、先頃、8月8日に記者団から「その日を楽しみにしているか」と問われ、「受賞はないと思う。そのための政治的活動はしていない。だが、もし受賞できれば光栄なことだ」と答えた。

「トランプ大統領はノーベル平和賞が大好きだ」

これは政権1期目当時、アメリカの政府高官が筆者の取材に対して語った言葉である。しかし、今年1月に2期目の政権が発足して以降、トランプ大統領のノーベル平和賞への執着はさらに強まり、本人ももはやその思いを隠そうとはしていない。

「何をしてもノーベル平和賞はもらえないだろう」

ただ、それと同時に、自身が仲介し解決したとする複数の紛争を例に挙げながら、「しかし、私はどんな功績を上げようとも、何をしてもノーベル平和賞はもらえないだろう」と不満をあらわにしている。

トランプ大統領は、2月にイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との会談時、記者団の前で「私はノーベル平和賞を受賞するにふさわしいが、実際には受賞できないだろう」と発言した。その後も、ノーベル平和賞に関する発言を繰り返している。

6月には、自身のSNSに「ルワンダとコンゴ民主共和国が自分の仲介によって和平合意に達した」と長文を投稿。「すばらしい日だが、これでもノーベル平和賞はもらえないだろう」と述べ、さらに、インド・パキスタンの停戦合意などに仲介したことにも言及。特に、この投稿では「ノーベル平和賞」という言葉を6回も使用しており、その執着の強さが際立っていた。

それでも、トランプ大統領は平和賞の受賞をあきらめたわけではない。

次ページホワイトハウスが積極的に宣伝活動
関連記事
トピックボードAD