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〈ルポ〉41万人超が集結!ロサンゼルス「アニメの巨大祭典」で目撃した熱狂 ソニー・東宝…有力企業の首脳陣らも。関係者は交流から商談まで

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ロサンゼルスで開かれたアニメエキスポの会場周辺は、コスプレしたアニメファンらで溢れかえっていた(記者撮影)

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からっとした気候に、降り注ぐ強い日差し。7月初旬、アメリカ西海岸の大都市・ロサンゼルスは、蒸し暑い東京とは対照的に過ごしやすい空気が漂っていた。

映画産業の聖地・ハリウッドを抱え、大谷翔平を擁するドジャースの本拠地でもあるロサンゼルス。世界のエンターテインメントの中心地とも言える街に浮かれていると、視界を見覚えのあるシルエットが横切った。

赤いトップスに青のデニム地のハーフパンツ、そして麦わら帽子――。大人気アニメ『ワンピース』の主人公、モンキー・D・ルフィのコスプレをした女性が、電動スクーターでさっそうと走り去ったのだ。

そばの歩道は、人気アニメのグッズを携えたり、カラフルなコスプレに身を包んだりした人たちで埋め尽くされている。行き交う人々からは、本場の英語で『チェンソーマン』などと、有力アニメのタイトルが聞こえてくる。ダウンタウンエリアの一角は、現地の日本アニメファンによって、まさに“ジャック”されていた。

日本企業の首脳たちも集う“社交場”

日本アニメーション振興会は7月3~6日(現地時間)、ロサンゼルスで「アニメエキスポ2025」を開催した。年に一度、現地のアニメ・漫画ファンからコスプレイヤー、インフルエンサー、業界関係者までもが一同に会する、北米最大規模の日本ポップカルチャーイベントだ。

北米市場の急成長を裏付ける活況ぶりで、計4日間で過去最多の41万人超を動員。会期中、会場となったコンベンションセンター周辺の巨大な施設や飲食店、道路はアニメファンらで溢れかえった。

アニメファンの人ごみの中で、じっと目を凝らすと、会場内外に日本の企業関係者が多数いることがわかる。キー局、映画大手、出版大手、キャラクター企業、アニメスタジオに制作関連システムを提供するIT大手と、あらゆる業種の関係者たちが歩き回り、時に名刺交換や雑談をしている。

業界の要人たちも顔をそろえた。筆頭格は、ソニーグループの十時裕樹社長と、アニメ事業を含めた全社の事業戦略を統括する御供俊元CSO(最高戦略責任者)。ほかにも、東宝の島谷能成会長に松岡宏泰社長、KADOKAWAの夏野剛社長、ブシロードの木谷高明社長、MAPPAの大塚学社長などと、名前を挙げ始めればキリがない。このイベントは、アニメ産業の重要な「社交場」としても機能しているのだ。

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