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KADOKAWAアニメ責任者が語る"最重要市場・北米"の現在地 「市場がここまで急速に大きくなるとは想像しなかった」…配信権取引には変化あり?

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KADOKAWAでチーフ・アニメ・オフィサーを務める工藤氏。昨年末に資本業務提携を結んだソニーグループ傘下のクランチロールとの関係性についても語った(撮影:谷川真紀子)

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「【推しの子】」や「Re:ゼロから始める異世界生活」などの有力作品を擁し、アニメ製作大手の一角を占めるKADOKAWA。2025年3月期、アニメ・実写映像セグメントにおけるアメリカの売上高は120億円と、アニメビジネスが牽引し前期比30%超の成長を見せた。
2024年末には、アメリカのアニメ配信大手・クランチロールの親会社であるソニーグループと資本業務提携も締結した。そんなKADOKAWAのチーフ・アニメ・オフィサーを務める工藤大丈執行役に、北米におけるアニメビジネスの現状や課題、展望を問うた。

北米は最重要市場の1つ

――足元の北米市場の盛り上がり方はこれまでと異なりますか。

違いますね。

毎年、アニメエキスポを訪問しているが、今回は業界各社から多くの人数が参加しただけでなく、例年以上に幅広い企業の上層部が訪れていた。政府が(国の基幹となる)輸出産業にすると掛け声をあげたことも背景にあるのか、関心や注目度の高まりを感じた。

動画配信サービスの台頭によって、ストックされたアニメ作品に低い料金で触れられるようになった。国内・海外を問わず、ライトユーザー層が拡大し、アニメの力がすごく増したという手応えがある。

――そもそもKADOKAWAのアニメ事業にとって、北米市場はどのような位置付けなのでしょうか。日本市場との特性の違いはありますか。

中国と同様に規模が大きく、最重要市場の1つと言える。

コロナでハリウッドが作品を作れなかった時期に、日本アニメの視聴者が一気に増えた。その客層を中心に、引き続きよい作品を提供することでビジネスにつなげていく。

アメリカでは異世界ファンタジーが強く、少年バトルアクション、中でもハイエンドな映像の作品も人気だ。また、例えばうちのアニメである「文豪ストレイドッグス」の場合、日本だと(ファン層の)大部分が女性というイメージなのに対して、アニメエキスポでプレミア上映をすると男女比が半々といった具合で、違いを感じている。

「僕のヒーローアカデミア」などとともに、(有力アニメスタジオの)ボンズによる一連の作品群として受容されている側面がある。さらに、文豪が特殊能力を使って戦うことから、バトルアクションのユニセックスなIP(知的財産)として受け止められているようだ。

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