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KADOKAWAアニメ責任者が語る"最重要市場・北米"の現在地 「市場がここまで急速に大きくなるとは想像しなかった」…配信権取引には変化あり?

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――北米におけるアニメ事業の体制整備の進捗は。

クランチロールやセンタイなどの現地の動画配信サービスにアニメを格納する形で、北米市場はコロナ前から徐々に伸びてきた。市場に一段と入り込むため、2019年ごろには現地事業所の開設についての議論も深まっていた。

そんなとき、ちょうどコロナで何もできなくなった。ここ数年のアニメエキスポの視察や出展を経て、目下で改めて(事業所の開設について)どうしようか、と考えている状況だ。

工藤大丈(くどう・だいじょう)/1973年生まれ。1997年角川書店入社。2007年富士見書房ファンタジア文庫編集部編集長。2013年角川書店第四編集部部長。2021年KADOKAWAアニメ事業局局長などを経て、2025年4月より現職(撮影:谷川真紀子)

――アニメ製作大手では、東映アニメーションやアニプレックスが早期に現地法人を立ち上げ、東宝もここ数年で体制整備を急いできました。KADOKAWAがアニメ事業の現地法人を持つのも、自然な動きだと感じます。

北米市場がここまで急速に大きくなるとは、想像もしていなかった。

急いでやらなきゃ、という雰囲気がある一方で、実際にはコロナ禍でも(日本から)クランチロールなどの取引先と良好な関係を保ってこられた。現地法人があったとして、KADOKAWAとしてできることが増えるのか否か、という点はすごく考えている。人材を日本から派遣したり、現地で雇うのであれば、明確な業務ミッションを突き詰め、準備するべきだろう。

買い付け額は慎重に協議される印象

――クランチロールを筆頭に、北米の動画配信サービスからのアニメ配信権に対する引き合いが増え、配信権料のレートが上がるといった追い風も吹いているのでしょうか。

正直に言うと、今は少し違ってきていると思う。

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