――北米におけるアニメ事業の体制整備の進捗は。
クランチロールやセンタイなどの現地の動画配信サービスにアニメを格納する形で、北米市場はコロナ前から徐々に伸びてきた。市場に一段と入り込むため、2019年ごろには現地事業所の開設についての議論も深まっていた。
そんなとき、ちょうどコロナで何もできなくなった。ここ数年のアニメエキスポの視察や出展を経て、目下で改めて(事業所の開設について)どうしようか、と考えている状況だ。

――アニメ製作大手では、東映アニメーションやアニプレックスが早期に現地法人を立ち上げ、東宝もここ数年で体制整備を急いできました。KADOKAWAがアニメ事業の現地法人を持つのも、自然な動きだと感じます。
北米市場がここまで急速に大きくなるとは、想像もしていなかった。
急いでやらなきゃ、という雰囲気がある一方で、実際にはコロナ禍でも(日本から)クランチロールなどの取引先と良好な関係を保ってこられた。現地法人があったとして、KADOKAWAとしてできることが増えるのか否か、という点はすごく考えている。人材を日本から派遣したり、現地で雇うのであれば、明確な業務ミッションを突き詰め、準備するべきだろう。
買い付け額は慎重に協議される印象
――クランチロールを筆頭に、北米の動画配信サービスからのアニメ配信権に対する引き合いが増え、配信権料のレートが上がるといった追い風も吹いているのでしょうか。
正直に言うと、今は少し違ってきていると思う。
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