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"アニメ世界攻略"を占う「国際共同制作」の可能性 ファン層広げるカギはどこに?キュービックピクチャーズCEO&元Netflixアニメのキーマンに聞く

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国の基幹産業に位置づけられるまでに成長したアニメ。北米でも盛り上がりを見せるが、局所的な現象との声もあり、ファンの裾野をいかに広げるかが課題だ(記者撮影)

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成長著しい日本のアニメ産業。7月上旬、アメリカ・ロサンゼルスで開催された「アニメエキスポ2025」も、4日間で過去最高の約41万人を動員する活況ぶりだった。
会期中、記者が注目したパネルの1つが「グローバルプロデューサー:国境を越えたアニメづくり」。業界では、企画段階からローカライズされたアニメの成否が、さらなる市場成長の行方を占うという意見も聞かれる。
このパネルを主導したのは、ネットフリックス独占配信アニメ『リヴァイアサン』などをプロデュースしたアニメ会社・キュービックピクチャーズ。アニメエキスポの会期後、東洋経済は都内で同社のジャスティン・リーチCEO(最高経営責任者)へインタビューを行った。
インタビューには、リーチCEOとともに『リヴァイアサン』のエグゼクティブプロデューサーを務め、現在はアニメ会社・サラマンダーのCEOである櫻井大樹氏も同席。櫻井氏は、ネットフリックスのアニメ部門を率いた人物としても知られる。
有力アニメスタジオ、プロダクション・アイジーの元同僚で、櫻井氏いわく「兄弟のような関係」という2人。国際共同制作の可能性や、アニメ産業におけるネットフリックスの重要性について聞いた。

“カリフォルニアロール”があってもいい

――北米におけるアニメ需要について、どうみていますか。

ジャスティン・リーチ氏(以下、リーチ) 需要は非常に強く、ブームがきていると思う。アニメエキスポの来場者数も増えている。ただ、視聴者の層はまだ限られている。より幅広い層に受け入れられるようなストーリーの展開がカギとなるだろう。

例えば、アメリカなど西洋のストーリーを日本のアニメでつくる、といったやり方で、より幅広い層に受け入れられるようにしていきたい。

――日本で人気のアニメを持ち込むだけでも、十分な成長余地を感じます。一方で、ローカライズの推進がさらなる成長の機会につながると。

リーチ その通りだ。櫻井さんとも同じ夢をシェアしている。

櫻井大樹氏(以下、櫻井) 僕らは(プロダクション・アイジーで出会ってから)約25年間、どのように日本と海外がアニメでコラボレーションしていくか、そのことばかり考えてきた。

この手のことを考える際、僕はいつもすしを思い浮かべる。江戸前だけが正統派のすしで、それ以外認めない、というのではなく、カリフォルニアロールもあっていい。

アニメも、日本発の企画や漫画ベースの作品があってよいが、違うものもあってよいはずだ。今は「このアニメは漫画原作じゃないからだめだ」といった偏見があると思うが、いずれ時代が変わるはずだ。

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