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グーグルが日本で「30年放置」の土地購入の真相 米クラウド大手が相次ぎ日本へのDC投資を拡大

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海外の巨大ITは、沸騰する国内DC市場の台風の目となっている。

草が伸び放題の広大な空き地
Asaが取得した和歌山市の用地。草が伸び放題の広大な空き地には野犬がうろついていた(写真:編集部撮影)

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かつて「黒子」だったデータセンターは、AIの進化で今や一国の安全保障をも左右する重要インフラとなっている。この熱狂はバブルか、リアルか。本特集ではその深層を追った。

和歌山県和歌山市の中心部から車で約30分。市最北西部に位置する高台に、県の大規模な企業用地「コスモパーク加太」が広がっている。用地の一部には県営施設やメガソーラーがあるが、その大半は遊休地だ。多くの野犬がうろつく空き地には雑草が生い茂り、土地が長期にわたり放置された状態にあることを物語る。

コスモパークは、約30年前のバブル経済期に山を切り崩して造成されたものの多くが売れ残り、和歌山では「負の遺産」として知られていた。その用地の大規模区画が2024年2月、突如売却された。東京ドーム8個分に相当する土地を59億円超で買ったのは、データセンター(DC)事業を手がける「Asa合同会社」という企業。その正体は、世界的な巨大IT米グーグルの関連会社だった。

「負の遺産」を購入

検索エンジンや動画配信、クラウドサービスを世界で展開するグーグル。同社は22年、日本で24年までに計1000億円を投資すると表明した。DCに加えて通信環境を整備するために日米を接続する海底ケーブルの構築も進める。

23年春には、千葉県印西市に日本で初めて自前のDCを開設し、それ以降もほかの地域でDCの用地取得を進める。前出の関連会社は同12月、広島県三原市の産業団地も58億円超で購入している。

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