東証プライム上場のガラス繊維メーカー、日東紡が手がける「スペシャルガラス」の販売が絶好調だ。生成AIの爆発的な普及とデータセンター市場の急拡大に伴いAIサーバー向けの需要が旺盛で、同製品の今2025年3月期の売上高は2016年3月期の5倍以上に伸びている。飛躍の背景や今後の展望を多田弘行社長に聞いた。
![富士電機のUPS](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/8/2/-/img_82b8ca58735a86430fff26c52b7c2ca8110345.jpg)
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――日東紡のスペシャルガラスは他社製品と何が違うのでしょうか。
われわれのスペシャルガラスは大きく分けて2種類ある。1つは電気を通しやすい低誘電特性を持ち、高速・大容量通信を支える「NEガラス」だ。もう1つは低熱膨張性に優れた「Tガラス」で、熱を加えても反りや歪みが極めて発生しにくい。
NEガラスは台湾や中国のメーカーも手がけているが、1998年に発売した日東紡は生産性の高さに一日の長がある。一方、Tガラスは技術的なハードルが高く、スペックイン(自社製品を顧客に提案)できている企業は当社以外にはほとんどない。
――NEガラスは発売から30年近く経ちました。
発売した当時は高速通信の必要性が乏しく、それほど売れなかった。2017年ごろからようやく需要が増え始め、生成AI「ChatGPT」が普及した2023年春ごろからAIサーバー向けの注文が急増。Tガラスの販売も一気に伸びた。AIがこれほど普及するとは予想していなかったが、われわれの素材が必要とされる時代がいつか来ると信じていた。
――ただ、足元ではスペシャルガラスの需要に供給が追いついていません。
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