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「エヴァンゲリオン」が終わったことは『ジークアクス』にも影響した。戻ってきた「昔のオタクの感覚」/カラー鶴巻和哉監督ロングインタビュー②

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鶴巻和哉(つるまき・かずや)1966年生まれ。アニメーション監督、カラー取締役。スタジオジャイアンツ、ガイナックスを経て、2006年庵野秀明氏が設立したカラーへ移籍。「エヴァンゲリオン」シリーズに副監督、監督として30年携わる。最新の監督作品に『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』、2000年代の原案・監督作品に『FLCL(フリクリ)』『トップをねらえ2!』(撮影:梅谷秀司)

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2025年4月、ガンダムシリーズ待望の新作がテレビ放送を開始した。『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』である。平日深夜24時29分からの放送だったが、多くのファンがリアルタイムで視聴し、SNSには感想・考察・心の叫びが夜通し投稿された。その熱は翌週の放送まで冷めず、近年のテレビアニメとしては異例の盛り上がりとなった。
ガンダム45年以上の歴史――。その伝統と魅力を、「エヴァンゲリオン」シリーズで知られるスタジオカラーならではの手法で示した鶴巻和哉監督に、『GQuuuuuuX(ジークアクス)』制作の舞台裏から作品論、オタク論まで聞いたロングインタビュー。劇場先行版公開やファンからの反響にフォーカスした第1回に続き、第2回では「オマージュや小ネタを作品中に違和感のないよう緻密に盛り込む」ガイナックスの流れを汲む創作手法について聞いた。

第1回:鶴巻監督が語るガンダム「ジークアクス」制作秘話
第3回:「ジークアクス」が取り戻したかった大胆な世界
(第4回、最終回は26年2月公開予定です)
※本インタビューでは、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の内容に言及します。

――『GQuuuuuuX(ジークアクス)』はSNSで話題にしてやれと狙って動かしていた企画ではないし、そういう仕掛け方をしたわけでもなかったと(第1回より)。そう聞いて驚きました。毎話にガンダムファンが語りたくなる要素、次の放送までの1週間ずっとその話をSNSでし続けられるような強いネタが必ず盛り込まれていたので、視聴者の反応を想定したものだと捉えていました。

僕自身も、一視聴者としてそういう盛り上がり方をするのが好きなんです。だから作り手側としても、意識はしています。

例えば、2000年代に監督した『FLCL(フリクリ)』や『トップをねらえ2!』も、それは多少なりとも意識して作っている。だけど、そのときは成功したとは言えない。発表媒体がOVA(※)だったこともあると思いますが。

(※オリジナル・ビデオ・アニメ:制作期間や表現の自由度が高い一方で、テレビアニメと比べて流通経路が限られている)

『FLCL(フリクリ)』は鶴巻氏原案・監督のオリジナルアニメ。謎の女性との出会いをきっかけに、少年の周りで不思議な出来事が起こり始める。漫画のような表現、唐突な絵柄の切り替えなど斬新な演出でシュールな世界を描く。海外人気も高い ©1999 I.G / KI

一方で庵野(秀明監督)の作品は、「エヴァ」シリーズも、『シン・ゴジラ』も、見た人がSNSで盛り上がるんです。単純に面白いからからとか、圧倒的多くの人に見てもらっているからとは思うけれど、丁寧に仕込んだ細かい伏線やネタまで逐一見つけてもらい、共有される。正直、うらやましいと思っていました。

だから、『GQuuuuuuX(ジークアクス)』もそうなってほしかった。それが結果的にうまくいった。テレビ地上波で放送されるガンダムの新作だから、より広い層が見てくれる土台はあったし、それが理由だろうと思っています。

「オタクならわかるでしょ」という余興

――「これがカラーという会社のお家芸なのかな」とも思いました。

それはカラー的というか、ガイナックス的というか(※)。カラー創業者の庵野はガイナックスの主要なメンバーの一人だったし、僕も学生時代から彼らの活動を追いかけていたし、長くガイナックスに在籍していました。

次ページオマージュや小ネタを作品中に緻密に仕込む
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