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劇場先行版公開からのTV放送…ガンダムファン熱狂の話題作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』制作秘話/鶴巻和哉監督ロングインタビュー①

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鶴巻和哉(つるまき・かずや)1966年生まれ。アニメーション監督、カラー取締役。スタジオジャイアンツ、ガイナックスを経て、2006年庵野秀明氏が設立したカラーへ移籍。「エヴァンゲリオン」シリーズに副監督、監督として30年携わる。最新の監督作品に『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』、2000年代の原案・監督作品に『FLCL(フリクリ)』『トップをねらえ2!』(撮影:梅谷秀司)

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2025年4月、ガンダムシリーズ待望の新作がテレビ放送を開始した。『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』である。平日深夜24時29分からの放送だったが、多くのファンがリアルタイムで視聴し、SNSには感想・考察・心の叫びが夜通し投稿された。その熱は翌週の放送まで冷めず、近年のテレビアニメとしては異例の盛り上がりとなった。
制作の発表は24年12月。ガンダムシリーズ初となるスタジオカラーとサンライズによる共同制作が、まず話題を呼んだ。サンライズは、ガンダムシリーズの数々の作品を制作してきたブランド(バンダイナムコフィルムワークス保有)。カラーといえば、「エヴァンゲリオン」シリーズ総監督の庵野秀明氏が代表を務める映像企画制作会社だ。
『GQuuuuuuX(ジークアクス)』の鶴巻和哉監督(カラー所属)は、「エヴァ」制作の主力メンバー(テレビシリーズでは副監督、新劇場版では監督の1人)として知られ、自身の原案・監督作品『フリクリ』『トップをねらえ2!』が国内外で高く評価される実力派である。
ガンダム45年の歴史――。その伝統と魅力を、カラーならではの手法で示した鶴巻氏に、制作の舞台裏から作品論、オタク論まで聞いた。ロングインタビューの第1回。
第2回:「エヴァ」完結が「ジークアクス」に与えた影響
第3回:「ジークアクス」が取り戻したかった大胆な世界
(第4回、最終回は26年2月公開予定です)
※本インタビューでは、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の内容に言及します。

やりきることができてよかった

――『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』が2025年4〜6月にテレビ放送されてから少し経ちました。

やりきることができてよかったな、と。民放局でテレビシリーズの監督を務めたのは、実は初めてでした。ずっとやってみたかったけれど、この歳まで経験しないまま来てしまった。

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』のキービジュアル。舞台は宇宙に浮かぶスペース・コロニー。女子高生アマテ・ユズリハ、非合法な運び屋をしている少女ニャアン、《赤いガンダム》に乗る不思議な少年シュウジは、非合法なモビルスーツ決闘競技《クランバトル》に身を投じる。シリーズ1作目『機動戦士ガンダム』(79年放送)のキャラクターも多数登場する話題作 ©︎創通・サンライズ

テレビシリーズの監督は膨大な作業量が必要で、若い頃のような気力や体力がないとできない仕事だと思っていたので、今の自分で大丈夫なのかと。

自分の不甲斐なさのせいで妥協せざるをえない事態が起こるかもという不安がありましたが、放送を終えて振り返ると、何とかギリギリやりきれたかなという思いです。

――おおむね鶴巻監督の理想のどおりに?

もちろん一筋縄ではいかないんだけれど。30年前、副監督として経験したテレビシリーズが『新世紀エヴァンゲリオン(※)』でした。

監督は現カラー代表取締役の庵野秀明。彼の下で、『エヴァ』副監督としての僕は、純粋にクリエイティブに専念できた。けれど、当時の庵野もそうだったように、監督の立場になると、もっと別の観点が必要になってくる。

(※1995年テレビ放送開始。14歳の少年少女が巨大な人型兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットとなり謎の敵「使徒」と戦う。)

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