相互関税の名の下に輸入関税を課したアメリカのドナルド・トランプ大統領は間違いなく保護主義だろう。しかし、そのトランプを批判する欧州連合(EU)が、自らをまるで「自由主義の旗手」であるかのように位置付けているのは、欺瞞ではないだろうか。
なぜなら、そもそも保護主義の性格が強いのはEUのほうだからだ。それを再認識させる法案を、EUの執行部局である欧州委員会は3月4日に発表した。
法案名は、「産業促進法(IAA)」。欧州委員会はこの法案で、公共調達の際にEU域内製品の優遇を図ることを提言している。
国産品優遇に加え、外資系の技術移転や雇用創出を促す
同時に欧州委員会、加盟国政府が企業に対して、研究・開発の促進を目的に補助金を給付する際も、EU域内での生産を念頭に置いた企業を優先すると提案している。典型的な国産品(EU域内製品)優遇策だ。
欧州委員会は、鉄鋼やアルミニウム、セメントといった基礎的な素材に加えて、風力タービンや電解装置、電気自動車(EV)といったEUが強くこだる脱炭素関連を戦略分野と定める。そして、この分野では、モノごとに一定の域内製品の調達比率を定めることを提言する。重要なのは域内での生産であり、その担い手が外資系企業であることには問題がない。






















無料会員登録はこちら
ログインはこちら